2009年6月8日月曜日

第二種電気工事士筆記試験&技能試験


今年のプライベートにおける2大目標は、電気工事士二種の資格取得と、小唄を始めること。前者の理由は、いつか自分で家をリフォームするとか作る時に配線などが少しでもわかっていればいろいろいいことがあるだろう、それに今もコンセント1個増設ぐらいすぐにできるようになりたいし、というものです。それに、実は工作の類が好きなので、「なんだかおもしろそう」というかるーい気分もあったり。
しかし、いざ申し込んで1か月前から筆記試験に向けて勉強を始めたら「おもしろそう」では済みませんでした。電圧や抵抗の計算から、細かい電線の種類やサイズ、法規、工事方法まで、ありとあらゆることの理解と暗記の嵐。こんなにまじめに細かい勉強したのは大学院後期の入試でドイツ語やって以来で、すごく久しぶり……。つらかった……。オームだの三角関数だのという、高校以来避けて生きてきたあたりはやっぱり苦手。時間をかけて解いてもまちがってたりするし。もう半分あきらめムードでした。でもまあ、受験料も払ったし、受けずにあきらめてももったいないので、試験は受けましょう、程度で。

そして、6/7に筆記試験を受けてきました。東京都の試験場はあちらこちらにあって、我が家から近い上野あたりにもあったのに、なぜか成城の試験場で、しかも駅からけっこう歩く場所でした。夜は歌舞伎座に行くのに、これでは時間ギリギリ。2時間の試験時間で、最初の1時間が過ぎれば途中退出もできましたが、さすがに1時間では終わらず、1時間半ぐらいのところで「これ以上がんばっても正答は増えない」と思って終わりにしました。それにしても、かなり多くの人が1時間程度で帰っていったのですが、みんなよくできるんだか、諦めた人が多いんだか気になりました。
すぐ当日に解答が公表されたので、夜に採点したらなんとか合格ラインを超えていました。やったーーーー! いやあ、本当にギリギリだった。でも満点だろうとギリギリだろうと合格したっぽいのは確かなので、次の技能試験に向けてがんばるぞ! 技能試験では、電線や電気器具(コンセントや電灯)などを接続する実技が試験されます。試験問題は単線図だけなので、自分で複線図におこして、どこにどの部品を使うかなどを決めないといけません。工事に使う工具などは合格通知が届いてから買うことにして、7月初めまではひたすら候補問題を複線図に起こす練習をしました。あんまり何度も描いたので、もう一目見ただけでわかるようになるぐらいでした。基本的にすべて3分以内で描き終えられるようになりました。

7月に入って筆記試験合格通知が届きました。よし、工事の練習を始めるぞ。ウェブなどでも探してみましたが、結局秋葉原の愛三電機で売っていた工具セットと材料セットが一番安かったので、さっそく買ってきました。電線が何十メートルもあって、とっても重かったです。工具も重くて大きくてちょっと不安ですが、とにかく練習あるのみ。最初に作った1個は、電線の被覆のむき方も接続の方法もよくわかっていなかったので、1時間以上かかってしまってしかも美しくない。ちなみに試験時間は全部(複線図をおこして組み立て終わるまで)で40分です。候補問題をこなしつつ、個々の電線むき、電気部品への接続、リングスリーブの圧着などを、考えずにいつも同じようにできるようになるまで練習しました。お気に入りの作業は、電線の先をクルッと丸めてレセプタクルなどの接続部にねじ止めする作業。なんだか、ぴったりおさまるとウキウキしちゃいます。長さを測る、切る、ねじを開けるなどの作業もまとめてこなせるように作業の順序を組み立てて、難しいものでも30分で作れるようになりました。特にリングスリーブの圧着はすごく力が必要で、1日に3つも候補問題をこなすと手がぶるぶるふるえるようになっちゃってなかなか思ったように進まないものです。直前にまとめてやるよりも、1日1つずつでもコツコツこなしていくほうがお勧め。

技能試験は7月25日、秋葉原でした。今度は近くてラッキー。表紙付きの問題用紙が配られたら、紙が薄いのか、中の問題(単線図)が透けて見えます^^; 「始め」の合図がある前から、「きっと、あの問題だな」と記憶を反すうしなおせちゃいました。出題は、候補問題No.6でした。アースをつける方法だけ覚えていれば、あとは特に難しいところはない問題。そこで、丁寧にきれいに作ることをこころがけました。それでも、できあがったものをきれいに整えて、ごみもきれいに片付けて、再度できを確認しても、まだ時間がたっぷり(10分ぐらいかな)余ってしまって、周囲の様子をうかがっていました。うーん、できちゃってる人もいるけど、すっかりあきらめてる人もいれば、(私から見ると)謎の順番で作業を進めている人もいるし、電線がぐにゃぐにゃの人もいます。もしかして、思ったより私はいい方かも、とだんだん自信がわいてきて、試験終了の合図があったころには「合格間違いなし」と思いこんでおりました。こんなにさわやかな試験後ってなかなかありません。

合格発表は9月初め。予想通り受かってました。わーい。
合格したら、なんだか落ち着いてしまって、「別に仕事で必要なわけじゃなし」と、なかなか免状の申請に行かずに時間が過ぎました。10月も後半になってやっとその気になって、よりによって大雨の日の終業直前に都庁に行って、手続きをすませ、11月13日に免状をいただいたのでした。しかし、ケースには入っているものの、紙製で写真も貼り付けって、いまどきレトロな証明書類ですなー。さて、どこかにコンセントでも増設するかな。

2009年6月7日日曜日

歌舞伎座6月公演:吉右衛門と幸四郎

6月の歌舞伎座、夜の部の演目は以下のとおりでした 。


 - 門出祝寿連獅子
 - 極付 幡随長兵衛
 - 梅雨小袖昔八丈 髪結新三


吉右衛門と幸四郎がそれぞれ主役をはって、見ごたえのある感じでしたが、最初が口上であとは黙阿弥の男くさーい芝居が2つ続くと、もうちょっと華やかなお姫様なんかが出てくるものも見たいような気もしてきたり。ぜいたくですね。


さて、門出祝寿連獅子は染五郎の息子さん、金太郎ちゃんの初舞台。なんと4歳(だっけ)ですが、 しっかり獅子を踊っていました。ちょっと感心。三代で舞台に立てるなんて、お父さんもおじいちゃんもうれしいだろうなあ。



幡随長兵衛吉右衛門の幡随院長兵衛に仁左衛門の水野十郎左衛門でした。ふたりとも大好きな役者さんなので、きゃーきゃーって感じで見ていましたが、お芝居の方は全然浮かれたところなどない、江戸の侠客のしぶいお話でした。吉右衛門すばらしい。
水野が自分で長兵衛をおびきよせておきながら長兵衛の死ぬ覚悟を知って「殺すは惜しい」と言うあたり、じんとするんだけどよく考えると「いい加減にしろよなー」とも思います。結局殺しちゃうんだし。見せ場はやっぱり後半なのでしょうが、前半の江戸の暮らしぶりをほうふつとさせるような湯上りの姿とか、子分たちの着物の着方とか、そういうところもおもしろく見ました。

幸四郎の方は 髪結新三。これ、前から見たかったんだよね。やっぱり初鰹だよね。実は幸四郎って何を演じていてもずっしり感があってあまり得意ではないのですが(全部弁慶に見えるような気がする…)、さすがお芝居はうまくて、楽しく見ました。でもやっぱり、幸四郎と染五郎がふたり出てきても「髪結の小悪党」には見えないなー(笑) とにかくがめつい家主夫婦は彌十郎と萬次郎でした。最近老け役が気になります。
しかし、見る前は新三ってもっとかっこいい役なのかと思ってましたが、悪いことしたわりにいろいろ竜頭蛇尾で、しかも最後はあんなことになっちゃうし、だいぶダメダメだったのがびっくりでした。おもしろかった。また別の配役で見てみたいです。