2009年7月26日日曜日

歌舞伎座7月公演: 天守物語

るみちゃんと3階A席わりと中央でした。
海老蔵を意識してみるのは初めてでしたが、たしかにかっこいい。すっきり二枚目な感じが似合いますね。好みかと言われると、別に……なんだけど:P
というわけで、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ) 。序幕:住吉鳥居前の場より、大詰:長町裏の場まで。団七を海老蔵、徳兵衛を獅童で若々しい感じでしたが、全然大阪っぽくは感じられなかったのでした。このお芝居を誰がやると大阪っぽくなるのか、よくわからないけれど……。団七登場で、すごいぼうぼう眉毛だったのがおかしかったです。大詰では、義平次があまりにいつまでも死なないし、その後団七がゆうゆうと血を洗い流しているしで、「早く逃げないとおみこしに見つかっちゃうよう」とこっちがあせってしまったのでした(笑)
猿弥演じた釣舟三婦がしぶい極道上がりって感じでとてもよかったです。この公演では勘太郎の女形が続きましたが、こちらのお辰は見かけもお芝居も、「小股の切れ上がった」雰囲気たっぷりですばらしかったです。

後半は天守物語。鏡花の歌舞伎は、夜叉が池、海神別荘、高野聖は見ていますが、なぜかこれは初見だったので、ものすごーーーく楽しみでした。玉三郎の富姫、海老蔵の図書之助で見られて、本当にうれしい! 前半の露を釣るくだりや亀姫(勘太郎)一行が遊びにくるくだりで、地上とは違う価値観の世界が形作られていくのが見事でした。亀姫の駕籠が空をびゅーんと飛んでくるのが後ろのスクリーンに映るのはちょっといただけなかったけど。そこまで説明しないほうがよかったのではないかと。図書之助が出てからは、もうまったりとした純愛の世界を満喫。それにしても、玉三郎ほど新歌舞伎独特の言葉遣いが自然に聞こえる役者さんはいないです。ちょっと切り口上っぽい、夏目漱石などにも感じるあの直截的な感じが、玉三郎にかかるとなぜかとっても色っぽくなるのが不思議。
見終わって、鏡花物の中でも天守物語が一番整ったいいお芝居だと思いました。また見たい!